駅伝名門・大牟田高校に激震が走った。
選手の9割が集団転校するという前代未聞の事態が発生し、高校駅伝界に衝撃を与えている。
元コーチ赤井健の退任、そして新監督磯松大輔の就任。
指導者交代の裏で何が起きていたのか。
両コーチの実績、指導方針の違いから見えてくる”集団転校”の真相、大牟田高校駅伝部の今後を徹底分析。
名門校の未来を左右する騒動の全容に迫った。
【大牟田高駅伝部】選手の9割が集団転校

全国高校男子駅伝で5度の優勝を誇る名門・大牟田高校駅伝部で、選手約9割が鳥取城北高校への集団転校を決定した。
この異例の事態は、体罰問題に端を発する約3年間の紆余曲折が背景にある。
事の発端は2021年から2022年にかけて発生した体罰問題だ。
当時監督を務めていた赤池健ヘッドコーチによる体罰が明るみに出たことで、2023年3月に赤池氏は退職を余儀なくされた。
ところが選手と保護者からの強い要望により、赤池氏は復帰。
研修を受け「二度と体罰を行わない」という誓約書を提出し、自主性を重視する新たな指導方針を導入。
その結果、チームの成績は向上していった。
転機が訪れたのは2024年11月。
学校側は2025年度からの新体制として、OBで元コニカミノルタ監督の磯松大輔氏(51)を新監督に任命。
赤池氏をヘッドコーチからサポート役に降格する方針を伝えた。
この決定に対し、選手と保護者は反対したが学校側の方針は覆らなかった。
そこで赤池氏は鳥取城北高校の監督へと転職を決意。
これを受けて、大牟田高校の選手約9割は赤池氏と共に鳥取城北高校への転校を選んだ。
さらに大牟田高校に入学予定だった中学3年生の多くも、進路を鳥取城北高校に変更したという。
大牟田高校駅伝部は近年チーム力が向上し、13分台で走る本田選手など実力者を擁していた。
2025年度も全国大会で上位を狙える実力を持っていただけに、今回の集団転校による影響は計り知れない。
今後、大牟田高校は新体制での再建が課題となる一方、鳥取城北高校は赤池氏と転校生を中心とした新たなチーム作りが始まる。
この動きにより、高校駅伝界の勢力図に大きな変化が予想される。
【どんな人?】 赤池健ヘッドコーチの実績と指導方針

赤池健ヘッドコーチ(52)は、福岡県の大牟田高校駅伝部を指導し、全国レベルの強豪チームへと育て上げた人物だ。
その実績と特徴的な指導法は多くの注目を集めている。
赤池健ヘッドコーチの指導実績
- 全国高校駅伝
- 2023年:6位入賞
- 2024年:2位(11年ぶりの準優勝)
- 全九州大会
- 2024年:2時間3分25秒の大会新記録で優勝
- 選手育成
- 2024年12月時点で、上位7人の5000メートル平均タイムが14分09秒という高水準
- 高校総体(インターハイ)
- 2024年夏、チーム史上最多となる9人が出場
【どんなコーチ?】 赤池健ヘッドコーチの指導方針とは?
赤池コーチの指導は自主性を重視する。
体罰問題はあったが、2023年春には長年続いた丸刈り統一を廃止し、選手の個性を尊重する姿勢を示した。
練習中は細かな指導も怠らず、マイクロバスで選手を追いかけながら「テンポ、テンポ」「最後まで集中力持って」など選手に寄り沿い背中を押す。
伝統と最先端トレーニングのバランスを巧みに扱う名将だ。
甘木山での長距離走や、手の甲に漢字一文字を書く伝統を継続しつつ、新たな取り組みも導入。
この融合が大牟田高校の復活を支えた。
赤池コーチの指導で大牟田高校は伝統校としての強さを取り戻し、2024年全国高校駅伝では11年ぶりの準優勝を達成。
その手腕は高く評価されている。
【どんな人?】磯松大輔の実績と指導方針

磯松大輔(51)は1973年12月17日生まれの元陸上競技選手で、日本のトップ実業団トヨタ自動車九州陸上競技部のコーチを務めている。
過去にはコニカミノルタ陸上競技部の監督として活躍し、指導者としても高い評価を得ている人物だ。
磯松大輔の選手時代の実績
- 全国高校駅伝:1990年に2位(3区5位)
- 箱根駅伝:法政大学時代に出場
- ニューイヤー駅伝:2001年、2002年、2003年、2005年、2006年に優勝
- 全日本実業団ハーフマラソン:2000年に6位(1時間1分52秒)
- 福岡国際マラソン:2003年に13位(2時間11分42秒)
特にニューイヤー駅伝では「1区は磯松に任せとけばいい」と言われるほどの実力者として知られた。
磯松大輔の指導実績
コニカミノルタ陸上競技部
- 2007年:プレーイングコーチに就任
- 2013年4月:監督に昇格
- 2014年:ニューイヤー駅伝でチームを連覇に導く
- 2021年3月:監督を退任
トヨタ自動車九州陸上競技部
- 2021年8月1日:コーチに就任
【どんなコーチ?】 磯松大輔の指導方針とは?
磯松は大牟田高校、法政大学、コニカミノルタでキャプテンを務めるなど、強いリーダーシップを持つ人物だ。
練習態度の悪い先輩選手にも臆せず意見するなど、強い意志の持ち主としても知られる。
指導方針としては「個性的で、世界で戦えるマラソンランナーを鍛え上げたい」という明確な目標を掲げており、選手時代の豊富な経験と実績を活かし、若い選手の育成に情熱を注いでいる。
【徹底解説】大牟田高校駅伝部、集団転校の真相とは?理由を5つの視点で分析

大牟田高校駅伝部の選手たちが約9割という高い割合で集団転校を決断した。
実績面では新たに就任する磯松大輔コーチの方が優れているにもかかわらず、
なぜこのような事態に至ったのか。
このセクションでは、考えられる理由を5つに分けて解説する。
①【信頼関係】指導者と選手の絆が見せる新体制の課題
まず一番大きな要因として考えられるのは、赤池健ヘッドコーチと選手たちの間に築かれた強い信頼関係だ。
特に3年生にとっては高校駅伝最後の年であり、急な指導者交代は重大な不安要素となる。
②引継ぎに荒さあり?大牟田高校の新指導者就任に隠れた問題点とは
学校側が突然の指導体制変更を発表したことで選手や保護者の間に混乱が広がった。
本来であれば、現指導者と後任指導者が二人三脚で指導し、数年後にバトンタッチするものだが、いきなりの交代で現場は混乱した。
赤池コーチを慕って入学した生徒や保護者からは反発の声が上がるのも当然だ。
③磯松大輔監督のスカウティング実績に対する懸念
高校スポーツの監督は、実績だけでなくスカウティングも要求される。
磯松氏の指導実績がどれだけあっても、中学生をスカウティングするのはおそらく初めて。
有力な中学の指導者とのパイプがあるかも疑問視され、来年度からの大牟田高校のスカウティングは苦戦が予想される。
選手層が薄くなることも懸念され、全国優勝を目指す選手たちにとって不安材料となるだろう。
④大牟田高校駅伝部の急成長
赤池コーチの指導のもと、大牟田高校は2023年の全国高校駅伝で6位、2024年には2位と急速に成績を向上させていた。
この成功体験が選手たちの赤池コーチへの信頼をいっそう強めたと見られる。
⑤保護者の支持と練習内容の変化に対する懸念
保護者たちも赤池コーチの指導方針を高く評価しており、子どもたちの転校決断を支持した可能性も考えられる。
新たな指導者のもとで練習内容や強度が変わることへの懸念も、集団転校の一因となったとみられる。
磯松大輔が大牟田高校に就任した理由とは?
大牟田高校は磯松大輔氏を駅伝部の新監督に迎え、新たなスタートを切ることとなった。
磯松監督にとっては一から体制を構築できる利点がある一方で、いくつかの課題も浮上している。
【大牟田高校の今後】磯松大輔の指導方針と戦略で進む未来
磯松監督は実業団での指導経験は豊富だが、高校生のスカウティング経験が少ないため、有力選手の獲得に苦戦する可能性がある。
また、残った選手たちとの信頼関係構築や、新たなチーム文化の醸成も急務となる。
5度の全国優勝を誇る名門校の監督として、早期の成果を求められるプレッシャーにも直面することになるだろう。
チーム再建には残った選手たちとの関係構築や士気回復が必要不可欠だ。
一方、福岡から鳥取城北高校へ転校した選手たちは、環境の変化にどう適応するかが今後の競技生活の鍵となる。
まとめ
大牟田高校駅伝部で起きた前例のない集団転校の背景には、
- 選手と指導者の信頼関係、
- 引継ぎの課題
- スカウティングへの懸念
- 部の急成長による期待の高まり、
- そして保護者の支持と練習内容の変化
などが、この異例の事態を引き起こした主な要因ではないだろうか。
大牟田高校は新体制のもと、再建への道を歩み始めている。
一方、転校した選手たちは新たな環境で自らの道を切り開こうとしている。
高校駅伝界に大きな波紋を投げかけたこの出来事は、指導者と選手の関係性、チーム作りの本質について多くを考えさせる機会となった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後も大牟田高校駅伝部および転校した選手たちの動向に注目し、新たな動きがあれば随時お伝えしていきます。
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