兵庫県議会で新会派「躍動の会」が2025年3月10日に誕生した。
この会派は、2024年11月の兵庫県知事選に絡む百条委員会の情報提供問題で兵庫維新の会から処分を受けた3名の県議で構成される。
斎藤元彦知事の「躍動する兵庫」という政策理念に共感したという彼らは、2027年の県議選では約40人の候補者擁立を目指す大胆な目標を掲げている。
法政大大学院の白鳥浩教授からは「議会への信頼を裏切る行為」「地方自治への冒とく」との厳しい批判も出ている中、新会派の県政での影響力に注目が集まっている。
百条委員会の情報提供問題とは?処分を受けた理由を解説

【増山誠県議】立花孝志へ百条委員会の録音データ提供
増山誠県議は、2024年10月下旬に開かれた非公開の百条委員会(調査特別委員会)の録音データを、NHKから国民を守る党の立花孝志党首に提供した。
このデータには、知事の最側近だった片山安孝・元副知事の証人尋問内容が含まれていた。
問題の録音データは、2024年11月の県知事選への影響を考慮して選挙終了まで非公開とされていたものだ。
百条委員会のメンバーである増山県議がこのデータを外部に提供したことは明確なルール違反とされている。
立花氏は選挙期間中にこの音声データをSNSなどで公開。
これにより選挙の公平性が損なわれた可能性がある。
また、音声には告発者の私的情報に触れた部分も含まれており、個人情報保護の観点からも問題視された。
このような非公開データの流出は、百条委員会の信頼性を損ない、公正な調査や選挙プロセスを妨げる可能性があるとして、重大な問題として扱われた。
岸口実県議が「黒幕」文書受け渡しに関与?詳細解説
岸口実県議は2024年11月1日(知事選告示翌日)、立花孝志党首に対して疑惑を追及する百条委の委員だった竹内英明・元県議を「黒幕」と名指しする文書の受け渡しに立ち会った。
この文書には竹内元県議が「知事失職の黒幕」であるとする真偽不明の「噂レベル」の疑惑が記載されていた。
百条委員会の副委員長であった岸口県議がこのような文書の受け渡しに関与したことで、委員会の公平性が大きく疑われることとなった。
「知事失職の黒幕」とは、兵庫県の斎藤元彦知事を辞職に追い込もうとする裏の仕掛け人を指します。
- 竹内英明元県議が、知事のパワハラや県政私物化を告発した問題の黒幕だと疑われました。
- この疑惑は、2024年11月の知事選中にSNSで拡散され、竹内氏への誹謗中傷につながりました。
- 結果として、竹内氏は議員を辞職し、その後自殺したとみられています。
文書は立花氏によってSNSで公開され、選挙期間中に拡散。
これにより竹内元県議への中傷が激化し、選挙結果や政治的風潮に影響を与えた可能性がある。
その後、竹内元県議は精神的負担を抱え辞職し、2025年1月に亡くなった。
この一連の出来事との因果関係も問われている。
岸口県議は文書を直接手渡したわけではないと主張しているが、「その場に同席していたこと自体軽率だった」と謝罪し、「抗弁のしようがない」として責任を認めている。
白井孝明県議と立花孝志の連絡内容とは?
白井孝明県議は立花孝志党首に対して情報提供をしようと計3回、電話で連絡を取っていたことが明らかになった。
白井県議は「私が持っている情報を立花氏が知らなければ伝えようと思った」と説明している。
実際にどのような情報が提供されたかは明確になっていないが、百条委員会の情報に関わる連絡だったとされている。
【兵庫維新の会】岸口実・増山誠・白井孝明への厳しいの処分

これらの問題を受け、3名の県議は兵庫維新の会から次のような厳しい処分を受けた。
- 岸口実県議:除名処分
- 増山誠県議:離党勧告処分
- 白井孝明県議:離党勧告処分
これらの処分により、3名の県議はいずれも無所属となった。
兵庫維新の会は百条委員会の情報漏洩を重く見て、厳正な対応を取ったとしている。
新会派「躍動の会」結成!活動方針や今後の展望とは?
3名が無所属となった後、新たな活動の場を求めて2025年3月10日に「躍動の会」を結成した。
白井県議が同日午後4時頃、議会事務局に届け出を提出。
結成に先立ち、白井県議は3月8日にSNSで「さぁ。動きましょうか。」と投稿し、3人の写真を公開していた。
会派の体制は次の通り
- 増山誠県議:幹事長
- 白井孝明県議:政務調査会長
- 岸口実県議:メンバー
3名はいずれも県議会での経験を持ち、この新会派を通じて県議会内での影響力維持を図る狙いがあるとみられている。
躍動の会の政治的方針と目標
「躍動の会」は斎藤元彦知事の「躍動する兵庫」という政策理念に共感を示している。
増山誠氏は「斎藤氏の政策に非常に共感する部分がある」と述べており、会派名もこれに由来するとしている。
県政の発展を目指す上で、知事の政策方針と歩調を合わせる意向を示している。
特筆すべきは、会派が2027年の県議選で40人程度の候補者擁立を目指すという極めて野心的な目標を掲げていることだ。
これは県政での大幅な影響力拡大を狙うものと解釈できる。
また、将来的には単なる会派にとどまらず、地域に根ざした政党の設立も視野に入れているという。
躍動の会と斎藤知事の関係

興味深いのが、「躍動の会」と斎藤知事との微妙な関係だ。
会派側が知事の政策に共感を示す一方で、知事自身は会派との連携を明確に否定している。
これは知事の政治的立場や他会派との関係を考慮した発言である可能性がある。
増山誠氏は、会派結成が知事の意向によるものではないことを明確に述べており、会派の独立性と自主性を強調している。
しかし、3名とも2024年の知事選で斎藤氏を支持または公然と支援していた事実があり、彼らが斎藤知事の政策や理念に以前から共感を持っていたことは明らかだ。
専門家からは厳しい指摘「議会への信頼を裏切る行為」

法政大大学院の白鳥浩教授は、これらの県議の百条委員会に関わる行為を「議会への信頼を裏切る行為」「地方自治への冒とく」と厳しく指摘している。
この新会派の結成は、兵庫県政において新たな政治勢力が台頭する動きとして注目されているが、情報漏洩問題という重大な信頼失墜行為の当事者によって構成されている点には批判の声も少なくない。
特に、竹内元県議の死去との関連性も含めて、この問題は地方自治や議会運営への信頼を大きく損ねる結果となったとの指摘もある。
情報漏洩問題と新会派結成は、地方政治における倫理や透明性、公平性について改めて問われるきっかけとなっている。
まとめ
兵庫県議会で百条委員会の情報漏洩問題に関わった3県議が新会派「躍動の会」を結成した。
彼らは斎藤知事の政策に共感を示し、次回県議選では40人もの候補者擁立という野心的な目標を掲げている。
しかし、百条委員会の非公開情報を漏洩させるという重大な信頼失墜行為を行った当事者であることから、専門家からは「議会への信頼を裏切る行為」との厳しい批判も出ている。
斎藤知事と「躍動の会」の関係性は微妙で、知事は連携を否定する一方、会派は知事の政策理念に共感を示している。
今後の県政への影響や他会派との協力体制など、彼らの政治的立ち位置については不透明な部分も残されており、兵庫県政の行方に大きな影響を与える可能性がある。
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