業績は赤字転落の危機。
時価総額はトヨタの25分の1だが、報酬だけはトヨタ社長を上回。
日産自動車の内田誠社長が2025年3月期での退任を電撃表明した。
社内からは「9000人もリストラする一方で、トップの報酬は〇億円超なんてありえない」という怒りの声が渦巻き、ついに「従業員からの信任を得られない」事態に発展。
カルロス・ゴーン逮捕の混乱から再建を託された「救世主」は、一時は業績回復に成功したものの、なぜここまで短期間で退陣を余儀なくされたのか。
内田社長の5年間と、3年で倍増した高額報酬の謎に迫る。
【内田社長】wikiプロフィール

内田誠氏は、日産自動車の代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)を務めた実業家であり、2025年3月末で退任することが決定している。
(経歴と学歴)
- 生年月日: 1966年7月20日生まれ。
- 学歴: 同志社大学神学部卒業(1991年)。
- 職歴:
- 1991年、日商岩井(現・双日)に入社。
- 2003年、日産自動車に中途入社し、アライアンス共同購買部門に配属。
- 2019年12月1日、日産自動車の代表執行役社長兼CEOに就任。
【批判殺到】業績悪化にもかかわらず年収〇億円越
日産自動車の内田誠社長の年収は3年間で急増し、2023年3月期には6億7300万円に達した。
この金額はトヨタ自動車の佐藤恒治社長の約5億円を上回り、自動車業界においてトップクラスの水準だった。
しかし、その一方で日産の業績は急速に悪化。
2025年3月期には800億円の最終赤字が見込まれ、2024年4~6月期の営業利益は前年同期比99%減の10億円へと激減した。
会社の業績が悪化する中での経営トップの高額報酬に、社内外から批判の声が高まっていた。
「経営陣が高額報酬を維持する一方で、9000人もの従業員削減を進めるという矛盾した状況に、社内の不満は頂点に達していました」と関係者は語る。
企業価値との不釣合いが浮き彫りに!報酬額が引き起こした波紋
日産の時価総額はトヨタの約25分の1(約2.4兆円)にすぎないにもかかわらず、役員報酬は同等以上という不均衡も批判を招いた。
日産の役員報酬総額(約29.3億円)はホンダ(約17.9億円)をも大幅に上回っていたのだ。
自動車業界アナリストは「業績不振下での高額報酬は『信賞必罰』の原則から明らかに逸脱している。株主価値を高めるどころか、企業価値を毀損する結果となっていた」と指摘する。
退任の決断「従業員からの信任を失った」—内田社長の苦渋の選択
内田社長自身も「従業員の一部から信任を得られない状況になった」と認めざるを得なかった。
木村康取締役会議長は
「内田氏の在任は5年を過ぎた。(自動車)業界が厳しい中、当社も経営体制の刷新が必要だ」
と説明し、業績回復には新たな指導体制が不可欠との判断を示した。
また、最近破談となった日産とホンダの経営統合交渉においても、日産側の役員報酬維持への固執が障壁になったとの見方もあり、これが内田社長への批判をさらに強める結果となっていた。
3年で報酬が〇倍増した理由とは?
内田社長の報酬が急増した背景には「Nissan NEXT」と呼ばれる事業構造改革や電気自動車市場への投資戦略があったとされる。
しかし、これらの施策による利益率改善は限定的で、実績と報酬が見合っていないとの批判が絶えなかった。
「電気自動車戦略も競合他社に後れを取り、投資に見合う成果が出ていないのに報酬だけが増えていく—これでは従業員のモチベーションも下がる一方です」
と自動車産業に詳しい経済評論家は語る。
【年収の推移】急増した報酬
内田社長の年収の推移は以下の通り。
- 2021年3月期: 3億2700万円
- 2022年3月期: 4億9700万円
- 2023年3月期: 6億7300万円
- 2024年3月期: 6億5700万円
わずか3年で倍増し、直近ではやや減少したものの、依然として6億円を超える高水準を維持していた。
日産再建への長い道のり
内田社長の退任表明を受け、日産は次期経営体制の構築に着手した。
しかし、業界関係者からは「経営トップが代わるだけで根本的な企業文化の改革がなければ、本当の再建は難しい」との声も聞かれる。
業績不振と高額報酬の矛盾が浮き彫りになった今回の騒動は、日本企業の経営者報酬のあり方やコーポレートガバナンスについて、改めて問いを投げかけることになった。
日産自動車は厳しい経営環境の中、新たな舵取り役のもとで真の再建への道を模索することになる。
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